Sep 15, 2016

体験を通して学ぶ!ということ その1

「キケンな生物」はほんとうに危険なのか?

夏になり海水浴シーズンに入ると、若い親御さんたちは、クラゲの話でもちきりになりますね。
子どもの頃から海水浴を数えきれないほどしてきた親御さんは、知識として人から聞いた話を自らの経験を交えて元気に話します。一方、その話の輪に入ってこれを聞いている、海水浴にほとんど連れて行ってもらえずに、市民プールで遊んだ経験しかなかい親御さんは、「なんてキケンな事なんだろう」と頭の中でクラゲの危険性が何倍も増幅していきます。そんな危ないのなら海水浴には行くのはよそう、なにが楽しいのかなんてわからないし。

最初、子ども達のほとんどが、このような大人の話をそれとなく聞き続けていたか、厳重注意しなさい、などと言われててきたか、はなからクラゲは危険!「いるなら遊ぶのや~めた」と決めてかかります。自然の中で活動するという事は、その様な危険に出会う確率がどうしてもあるのですから、そう考えては活動そのものが成り立ちません。
私達自然学校のリーダーたちは、全く反対の考えを持っています。人生は、リスクに満ちていて、だからこそリスクをよく理解し、どうしたら自分に危害が及ばないようにするのか、子どものうちに遊びを通して練習しておくのだ、と。もしもそれが現実のものになったとしても、命を取られないような、その時だけで済むトラブルならば、それもこの先の成長によい肥やしになるではないか。

しかし子ども達にこの理屈は理解できません。そこで私は、「危険な生物」について知りうる限りのお話をします。クラゲの仲間はどうして刺すのか。それは生きていくためにプランクトンや小魚を獲るための道具だという事。だから本当は、人間なんかに関わりたくないのに、海水浴では、人間は自分たちの事には注意も向けず、やみくもに暴れて遊ぶので、たまたまそばを通るクラゲの足に触れてしまうのだという事など。
それによく観察すると、傘の部分は、まったく刺すという仕組みがありません。さわってみるとかえってぷにょぷにょで気持ちがいい。それに水まんじゅうみたいにおいしそう。ただ足の細胞には、刺胞というモリが隠された細胞が並んでおり、何かに触れると自動的に発射される。おおよそこのような話にまで至ると子ども達の考えが変わっていきます。クラゲの正しいイメージが頭の中に出来てきたのでしょう。不安とは、対象が観えない事で起こるマイナスの心理です。

その話のあとに、子ども達に起きた出来事がこの写真です。みんな楽しそうにアンドンクラゲを観察しています。この小さなアクアリウムは、男子達の着想によってつくられました。

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男子がつくった活動チームは、水中メガネとスノーケルを持って、水中の生物採集をするチームです。
これさえあればいろいろな生物を探すことができます。ですが採集するという事に関しては、水中生物たちの世界ですからそう簡単ではありませんが。
コアマモという海草が繁茂している場所で、この子たちが何やらいって騒いでます。水中をのぞかず、立ち歩きながら網で海面をすくうようにして、それを左右に振っているのです。「ひげさ~ん、アンドンクラゲ、こうすると獲れるよ~。もう20匹以上い獲れたから」。そうであれば水中はきっとアンドンだらけ。子ども達は思わず立ち上がって刺されないように防御しているようにも見えるのですが・・・、その上で、逃げ帰るのではなく網を水中に入れてアンドン採集という行動に出ているようなのです。
そんなにとってどうするんだろうと思っていると、これをバケツに入れて大事に持ち帰り、持参したアクリル製の観察ケースに一匹づつ入れるのでした。それを見て女子達がやってきて、指で頭を突っついたりしながら、みんなでアンドンの生態を観察を始めます。さらに記念撮影などするのですよ。朝には、危険のキの字で頭がいっぱいだった子ども達がです。

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